WISE2019参加レポート

香港は旧正月シーズンでした

修士1年の齊藤です。
2020年1月19日から22日に開催されたWISE2019に参加するため、
香港とマカオに行ってきました。

WISEとは、「Web Information Systems Engineering」の略で、機械学習やwebアプリケーション、ブロックチェーンなど幅広い分野が対象となっている国際学会です。
昨年の11月に開催される予定でしたが、香港の状況から1月に延期されました。

マカオでの会場だったマカオ大学 とにかく広い

私は「Highlighting Weasel Sentences for Promoting Critical Information Seeking on the Web」という研究の発表を行いました。
「~と言われている」や「某○○は~」といった、実態が明確でない表現が使われた情報について、読み手はその信憑性に気をつける必要があります。読み手の情報精査の態度・行動促進を行うために、曖昧な表現のある文章を自動検出し、ハイライト表示をするシステムの作成を行いました。

このテーマと手法は学士卒業論文の「文章表現の曖昧さ指摘によるウェブ情報精査の態度・行動促進」と同じですが、新たにトピックへの知識と回答への自信に注目したユーザ実験を行いました。
重要な結果として、ハイライト表示の効果はトピックへの知識によって変化することが分かりました。トピックを熟知している人の方がよりブラウジングに時間を掛け、多くのウェブページを訪問する傾向にありましたが、検索前後で自分の回答への自信に変化が生じない傾向にありました。

参加した推薦システムのセッションで発表された研究を簡単に紹介します。

Co-purchaser Recommendation Based on Network Embedding
グループ購入を行うサイトで共同購入者の推薦を行う手法を提案した研究です。
グループ購入とは、複数人のユーザーが同時に同じものを購入することで、割引された状態で商品が購入できる販売形態のことです。商品とユーザーを結びつけて推薦を行うのではなく、共同購入者となる人に注目した推薦を行います。
DeepWalkと呼ばれる、グラフ構造をベクトル空間に変換するグラフ埋め込みの手法を用いて推薦を行い、高い精度を達成しました。

Community-based Recommendations on Twitter: Avoiding The Filter Bubble
推薦システムらSNSの特性により、自分の見たい意見しか取得することが出来ないというフィルターバブルの影響を調査し、
フィルターバブルの影響を減らす為のランキング手法の提案を行っています。
Twitterのデータセットを使い、推薦システムがユーザーの行動にどの様な影響を与えるのか分析を行った結果、
およそ10%のユーザーがフィルターバブルの影響を受けていると結論付けました。割合としては大部分ではありませんが、Twitterのユーザー数を考えると多くの人々が影響を受けていることが分かります。

Memory-Augmented Attention Network for Sequential Recommendation
時系列データを使って推薦を行う手法について、長期的な好みと短期的な好み予測し推薦するMEANSという推薦手法を提案しました。
時系列データを使うという事について購入履歴を例にすると、何を買ったかという情報だけでなくその商品をいつ買ったかという情報も考慮し何か商品が購入される度に推薦する商品を計算し決定するということです。

Multi-head Attentive Social Recommendation
アイテムを推薦する際に、SNSで繋がりのあるユーザーの影響を予想し活用するモデルであるMASを提案しました。
Social homophily と呼ばれる、好みや意見が近い人々が集まりやすくなる性質があり、ユーザーが他のユーザーの反応に合わせて好みを変更する可能性があります。3つのデータセットに対してMASの性能を測定し、その有効性を明らかにしました。

CPL: A Combined Framework of Pointwise Prediction and Learning to Rank for top-N Recommendations with Implicit Feedback
アイテムごとの数値やラベルを予測するPointwise predictionと、複数のアイテム間の関係を予測するLTRを組み合わせた推薦手法を提案しました。2手法のバランスを取る手法を提案し、学習精度の向上を報告しました。

録画した映像での発表になったので、研究に関する質問を英語で答えたりといった経験は出来ませんでしたが、自分の研究を発表することができ大変嬉しかったです。
個人的に初めての海外で色々と心配でしたが、4日間とても充実した出張になりました。