ポジティブな文章の作成を促すナッジ

山本研究室 学部4年の誓山です.今回は私の卒業研究について紹介します.

これをご覧になっている皆さんの多くが,TwitterやInstagramといったSNSを利用したことがあるのではないでしょうか.皆さんは,SNSで愚痴や悪口ばかりの投稿を見て,自分も暗い気持ちになってしまった経験はありませんか?

私の研究では,このような「ネガティブな文章を発信したことで,読み手にもネガティブな感情を伝染させてしまう」という問題に取り組みました.

本研究では,強制するのではなく,ユーザーには自発的に望ましい行動をしてほしいと考え,「ナッジ」という手法に着目して問題解決を試みました.

「ナッジ(nudge)」とは他の選択肢を禁じる,経済的誘因を大きく変えるというように強制するのではなく,あくまで自然に人々の行動や選択を変える手法です.

R.H. Thaler and C.R. Sunstein. Nudge: Improving Decisions about Health,
Wealth, and Happiness. Yale University Press, 2008.

ナッジは,健康,環境,社会保障など様々な分野での活用が期待され,世界的に注目されています.

本研究では,色彩心理学と人間の行動特性に着目し,インターフェースの背景色を利用した2種類のナッジを提案しました.

  • ナッジA:書き手の感情を象徴する色を背景色にする.
  • ナッジB:ネガティブな文章が入力された場合,ポジティブさを想起させる背景色にする.

評価実験を行った結果,ナッジAはポジティブな文章の記述を促進させる傾向が見られました.一方でナッジBは,ネガティブな文章の記述を促進させるという予想に反する傾向が見られました.